巣ごもり。

めせもあ。の兄推しが管を巻いているところ。別館。

舞台沼から全国ツアー「MazeNo.9」を観る。

 

 ツアー後半のチケットも続々と完売してきた今日この頃。今更感もありますが、MeseMoa.さんの今回の全国ツアーの見どころでもあるストーリーパートについて、舞台沼との兼業ファン視点で何か書きたいなぁと思い立ち、ブログ記事にしてみました。内容の性質上、ストーリーパートのネタバレを含みますので、ご注意ください。

 普段は別所のブログで管を巻いていますが、はてブさんがリンクとか便利そうなのでちょっと試しにお外で書いてみようかなと頑張っています。よろしくお付き合いいただければ幸いです。

www.mesemoa.com

 

  元々はテニミュをきっかけに小劇場系の役者さんたちの追っかけをしていた筆者視点での『MazeNo.9のストーリーパート』の魅力、見てほしいところについて、以下8個のテーマに分けて書かせていただきます。
 イルミィさん(MeseMoa.ファンの呼称)にもそれ以外の方にも読めるといいなーということで、説明に使う単語はなるべく一般的なものを選びましたが、なにぶんオタク視点なので、分かりにくいところなどありましたらご連絡ください。

 

 

 脚本家:浅井さやかさんについて

oneonone.jp 上記、主宰カンパニーさんのプロフィールページに詳細が載っていますが、いくつか抜粋して紹介させていただきます。MeseMoa.ファン的にはミュージカル『Cry for the MOON』の演出脚本家さんですが、他にも色々すごい方です(すっかりファンです)。

 

 15年の歴史のあるテニミュの演出助手(2012~)をはじめ、乃木坂46生田絵梨花さん主演ミュージカルの脚本など、数々の漫画原作の脚本を手掛けてらっしゃいます。サンリオのミュージカルなどにも関わっておいでで、二次元(キャラクター)と三次元(演者)との橋渡しがとても上手い方だという印象です。

 2017年12月に上演されたMeseMoa.メンバー総出演のミュージカル『Cry for the MOON』も竹取物語をベースにしたお話でしたが、浅井さんの解釈がとてもロマンチックで大好きでした。先日拝見した『Secret code〜幻のゲームオーバー〜』はオリジナルストーリーでしたが、ゲーム(プログラム)の世界に入ってバグを取り除くためにゲームのキャラクターたちと交流していくお話で、こちらもオタクにとってとっかかりやすい世界観を作ってくださるなぁと感じました。

 

 今回のMazeNo.9のストーリーパートも、笑いあり涙あり、演者当人の性格や来歴を大事にしつつも短時間の脚本として分かりやすくまとめあげるその手腕が発揮されており、メンバー当人のことをよく知らない人が見ても十分楽しめる内容になっています。(ツアーが初現場だった友人も楽しんでいたので、たぶん大丈夫…)

 

 

既存曲の再発見

 浅井さんはMazeNo.9のストーリーパートでも脚本と演出を担当されていますが、さすが「ミュージカルクリエイター」!と思わされる仕掛けがたくさんあります。特に注目したいのが、やはり、既存のMeseMoa.(ならびに、むすめん。)楽曲との組み合わせの上手さでしょう。

 ストーリーパート全体のテーマ曲として ♪ON を採用し、「最初の1ページ、さぁ繋げよう」と導入シーンが切り替わっていく様はさすがとしか言えません。好きです。しかもメロディラインとハーモニーパートの絡み方が最高にTHEミュージカル!って感じで個人的に大変テンションが上がります。是非聞いてほしいです。

 

 各主人公ごとに設定されたテーマ曲にも、歌詞の脚本への拾い方やストーリーの再設定など工夫が盛りだくさんで、今まで聞いてきたあの曲この曲に新しい意味合いや解釈が増えるという大変楽しい体験をさせてもらってます。もちろん初見がストーリーパートでも、後から聞いて「こんな曲だったんだ!?」ってなるくらい新鮮だと思います。

 本来の歌唱担当パート以外を歌っているメンバーが見られるという意味でもシャッフル的なおいしさがありますし、普段歌は苦手…と言っているメンバーが頑張っている(し、実際上手くなっている)のが見られるのもファンとしてとても嬉しいです。

 

 あと、もう一回書きますが、ミュージカル風アレンジ(と、歌唱パートの変更)が本当に本当にどの曲も最高なので、好きな楽曲がもし推しメン以外のストーリーで採用されている、という方は楽曲目当てで見に行っても後悔しないと思います。

 ちなみに私はフォーゲルさんのストーリー初見で楽曲アレンジに号泣しすぎて細かい演技やストーリーが記憶から吹き飛んだ結果、第2弾日程で参加現場を追加しました…… 次は泣かずに観たい…たぶん無理です。

 

 

舞台裏的MCパート

 舞台がお好きな方にはきっと通じると思うのですが、バックステージ映像、見たくないですか? 半分キャラクター半分役者視点のトークとか、真剣な稽古の様子とか、お好きでしょう?

 

 MazeNo.9のストーリーパートは、前後にMCパートが挟まれています。ライブパートとの緩衝材として挿入されているのですが(メンバーのお着換え時間の都合もありますが、観客側としても涙を拭う時間があるのは非常にありがたいです。笑)これがまた舞台裏感があって楽しい!

 ストーリーパートの主人公メンバーとお迎え役メンバーに主に話が振られるのですが、演者からアイドルに戻った彼らがちょっと照れながら感想や見どころを話しているのが見られます。時々他のメンバーからも「ここ!ここが見どころやから皆見て!」なんて話もあったりしますね。演技しながらもストーリーに入り込みすぎて泣いてるメンバーや、思い出し泣きしてるメンバーもいたりして、MeseMoa.メンバーの人柄が見える一幕です。

 

 

なぜ、アイドルを選んだのか

 ストーリーパートにはメンバーそれぞれが主人公になった9種類の脚本があります。ですが、それらはすべて同じ設定でから作られています。

「もし、MeseMoa.メンバーでなかったら」

というものです。つまり、アイドルではない彼らの、もしもの世界線のお話となります。そんな世界線に迷い込んだ主人公に、お迎え役のメンバーがどうやってアイドルだった記憶を取り戻させるかがストーリーの主軸となっています。

 言い換えると、彼らがなぜアイドルをやっているのか、どんなきっかけでアイドルになりたいと思うのかを描いているストーリーになる訳です。

 

 他のアイドルにハマったことがないので比べることができないのですが、たとえば役者の追っかけをしていても、今の職業を選んだきっかけって中々本人の口から聞く機会は少ないように思います。それこそ雑誌のインタビューとか、ラジオ番組の中でとか、断片的な情報をいくつか知ってる程度でしょうか。

 もちろん創作されたお話なので現実の彼らの動機そのものではないですが、かなりの部分が当人たちの過去や考え方に準拠して作られているようです。それが一連のストーリーとして楽しめるなんて、舞台沼で暮らしていても中々ないです。この機会を逃すと、MeseMoa.に関しても二度と見られない可能性もあります。今回のツアーきりかもしれません。(映像化も恐らく難しいんじゃないかな…?)

 メンバーの人となりをお話を通じて知れるいい機会です。グループとして見てもとてもドラマチックな経緯を辿っている方たちなので、下記リンク先の漫画を読んでちょっとでも面白そうと思った方は是非、ライブに足を運んでいただきたいです。

MeseMoa.公式ホームページ|MeseMoa.物語

 

 

兼業アイドルから職業アイドルへ

  上記の漫画をお読みいただいた方は既にご存知かと思いますが、MeseMoa.というグループは元々兼業アイドルでした。仕事や学業の合間に練習時間を作って、どうにか予定を合わせてライブの日程を組み、それでも仕事が休めなくて、地元から飛行機が飛ばなくて参加できないメンバーがいる……そんな時代があったそうです。(筆者はファン1年生なので当時のことを詳細には知らないのですが)

 そんな彼らですから「前職」というものがあります。教師、会社員、司書、保育士、学生… メンバーそれぞれの前職は、もちろんMazeNo.9のストーリーパートにも反映されています。(前職が明言されていないメンバーもいますが、そこも「ありそう」な職業が選ばれています。あと、若干1名、ノックソさんは今も兼業アイドルで頑張っておいでです)

 

 つまりですね、別のお仕事をされていた頃のメンバーを垣間見ることができるんです…… すごくないですか?

 具体例に推しさんをあげると語りすぎて長くなると思いますので、野崎弁当さんを選ばせていただきます。以下、職業と演技内容のネタバレとなりますので、見たい方のみ選択して反転かコピペしてご覧ください。たぶんスマホだと読みにくいですねすみません。選んだ理由は筆者に馴染み深い職業だからです。

 

↓ここから
 野崎さんがストーリーパートで演じておいでなのは図書館司書です。カウンターに座って笑顔で利用者の応対をし、返却された図書のらくがきに消しゴムを掛けたり、貸出用スリップ(返却期限のハンコを押すしおり)を裁断したり、と様々なパントマイムをしておいでです。が、これが本当に細かい…!

 返却された本を受け取ってバーコードを読み取り、途中で追加された本をさらに積み重ね、中を確認して消しゴムをかけ、途中でやってきた利用者とお話しし、またバーコードリーダーに手を伸ばし、歓声を上げた子どもたちの方を確認しては仕事に戻る……

 なんというかもう、さすが経験者は違うぜ!その忙しない表現にわかりみが深い!って感じで、初見からめちゃめちゃ感動しました。2回目に拝見した時は細かいところまで見られなかったのですが、裁断機を下ろすスピード感とか最高でした。

↑ここまで

 

 他の方々も、それぞれの前職あるいは憧れの職業の細かい部分まで再現されています。たとえば表情であったり、店のお客さんや生徒に対する姿勢であったり。アイドルであったら見られない、ファン相手には見せないような部分まで細やかに拝見できるのって、本当に貴重だと思います。

 兼業アイドルだった彼らだからこその魅せ方だなと、心底感心します。

 

 

主人公を替えて楽しむ

 MazeNo.9のストーリーパートは、回替わりでメンバーそれぞれが主人公とお迎え役を担当し、内容はもちろんそれぞれ違います。

 二次創作を嗜んだことのあるオタクの方は分かると勝手に思っているのですが、好きなキャラクターができると、そのキャラクターを主人公にしたお話が見たくなりますよね…? それがMazeNo.9だと公式から供給されるんです。すごい。推しが主人公のストーリーが見られるんです。

 

 筆者に至っては考察クラスタのオタクであるため、推しだけでなくメンバー9人全員のストーリーを見比べられるのも最高に楽しいです。それぞれに設定された「もしもの幸せな日々」「生きがい」「アイドルを選ぶきっかけ(歌なのか、ダンスなのか、人との縁なのか)」などを並べてみては、浅井さん天才だなぁ……と噛み締めています。

 このように、回数を重ねてもおいしい工夫がされているので昼夜二連続の参戦もオススメです。スタンディングのライブ会場だと体力が心配ですけども!

 

 

仲間想いだからこそ

 MeseMoa.のメンバーは元々が友人同士、同じ趣味で集まった仲間同士ということもあり、めちゃめちゃに仲が良いです。(元メンバーである所属会社の社長や、所属の同じ他のグループ、スタッフ陣ともとても仲良しです。気になる方はDDチャンネルでの生放送やYouTubeのめせライなどご覧ください)

 そんな仲良しな彼らが、仲間の一人を失いそうになる、というのが今回のストーリーパート。それはもう少年漫画かのごとく熱い展開に…なるストーリーもあります。お迎え役のメンバーによってそのテンションに違いはありますが、それぞれの方法(語りかけてみたり、一緒にダンスを踊ってみたり、歌ってみたり…)で「戻ってきてよ」と伝える様子は、どれも胸に迫るものがあります。

 ライブパートに戻った時の本人たちの笑顔や、楽しそうな全力のパフォーマンスに泣かされるのもこのストーリーパートとのギャップあってこそですよね。

 

 基本的には主人公とお迎え役の二人芝居なのですが、それを見守る他のメンバーの表情や声音にも見どころがたくさんあるところが私は好きです。穏やかな笑みで帰りを信じている人もいれば、二人の軽口にハラハラしている人もいる。個性豊かなメンバーのそれぞれの反応が見られるので、複数回行かれる方は是非そういったところも見てほしいなと思っています。

 

 

アドリブの魅力

 筆者は舞台沼の人間なので、多くの演劇作品にある「アドリブ」についても取り上げたいと思います。特に人気のある役者が出演する舞台や、笑わせるのが得意なベテラン役者がいる舞台で多く見かけるかなと思います。役者が自由に行動することを指し、予めシーンとして指定されているものもあれば、役者の気分次第で増えたり減ったりすることもありますが、MazeNo.9のストーリーパートにはシーンとしてこの「アドリブ」があります。

 具体的な箇所については割愛しますが、アドリブって当たり前ですが脚本がありません。相手が何を言ってくるのかその場にならないと分からない、咄嗟に反応を返せないと場が白ける可能性がある、など、割と新人役者には怖いシーンになりがちです。

 でもMeseMoa.のすごいところは、さすがグループ活動7年目。お互いの会話がかちあったり、沈黙の時間が流れたりといった事故になることはほとんどありません。事故っても誰かしらが上手くツッコミを入れて場が動きます。事前準備の賜物でもあるかも知れませんが、ほとんどのメンバーが昨年12月が初舞台だったことを考えると、ほんとすごいなぁと見るたび思います。

 

 話はストーリーパートから離れて、MeseMoa.の大きな魅力であるライブパートのことを少し。

 彼らを追いはじめて驚いたことの1つに、ライブパフォーマンス中のアドリブの多さがあります。回を追うごとに気付いたことではありますが、歌唱でのフェイク(本来の音程と違う音程で歌うこと)や振付にはないファンサ、待機中のこっそりお喋りなどなど、アイドルってこんなに色々やるんだ!?と目を見張りました。

 自分のソロパートでハートを作ったりウインクしてみたり、二人で顔を合わせては変顔を披露しあっていたり、マイクオフで何か笑いあっていたり。決めポーズパターンが一番豊富なのは気まぐれプリンスさんでしょうか。音ハメで色々やってるのは毎回とても楽しそうです。

 

 

 

 以上8テーマに分けて書かせていただきましたが、どうだったでしょうか。読み返して自分でも驚く長さにちょっと引いてます。6000字って。学生の頃あんなに苦労したレポート課題を軽く超えてますね。

 なにかひとつでも一緒に頷いていただけるところや、気になるきっかけになったテーマがあったなら幸いです。

 

 8月16日にはZepp Diver City Tokyoでの大規模なフリーライブもあります。また、8月25日には新シングル『大逆転ディーラー』が発売され、それを記念した各地でのフリーライブなどもありますので、何かひとつでも気になった方は是非現地に足を運んでいただけたらと思います。最新のMeseMoa.が最高のMeseMoa.ですよ!

MeseMoa.公式ホームページ|SCHEDULE

 

 最後に、もう一度MeseMoa.全国ツアー『MazeNo.9』のリンクを貼って終わりたいと思います。どこかの現場であなたにも会えますよう。

 

www.mesemoa.com